紫根エキスの効果とは？美肌になる？安全性も検証！

紫根エキスとは、和漢植物「ムラサキ」の根「紫根」から得られるエキスです。鮮やかな赤色、または紫色です。
うるおい効果が高く、健やかなお肌を保つための成分のため、万葉時代から外用漢方薬として使われる生薬の一種です。
山地や草原に自生する植物で６～７月に小さな白い花を咲かせます。日本や朝鮮半島、中国東北部ロシアのアムール川下流域に分布する植物です。

飛鳥時代、冠位十二階が制定されたとき、濃い紫色が最高位の色とされていました。紫根の色は、シコニンという色素の紫色をしており、染料として用いられていました。また、万葉時代から外用漢方薬として使用された生薬として使用されました。

紫根で染めた紫色の生地。紫は高貴な色とされ、非常に身分の高い人以外は紫色の使用は禁じられていたそうです。
町民文化が栄えた江戸時代に、紫の禁色が解禁され、庶民も紫色を楽しむようになりました。そのため、染料の紫根が大量に取引されるようになり、その成分を活かして紫雲膏（しうんこう）という薬として用いられるようになりました。
紫雲膏（しうんこう）は、現在も薬局で販売されている薬で、その原料となっています。

野生の紫根は次第に減少し、現在は各地で栽培が試みられています。時代を超えて使用されている紫根ですが、栽培技術が未だ確立しておらず、収穫率は僅か5%程度とのこと。また、地球温暖化による環境変化に伴い生育数が減少してしまい、絶滅危惧1B類に指定されています。

※絶滅危惧とは、環境省のレッドリストに掲載された、近い将来に絶滅危険度の高いものや絶滅の危機感が増しているもののことです。

漢方薬に使われてきた紫根ですが、紫根エキスにはどのような美容への期待があるのでしょうか。
その効果やアレルギーで使用できない人はいるのでしょうか。
ここでは、肌への効果が見られた3つの効果を紹介します。

紫根エキスの抗酸化作用を発揮し、肌の老化を防ぐ効果があり、しわ、小じわ、肌の張り、たるみの改善効果が確認されております。

肌荒れ予防と老化予防の観点から、皮膚のバリア機能の形成能と皮膚・毛髪に対する抗酸化作用の評価を確認した報告があります。

また、加齢や紫外線による酸化ストレスによって生じるタンパク質の変化して、肌が「黄ぐすみ」の原因となることや、毛髪も老化やダメージとなると考えられていますが、紫根エキスには肌だけでなく、髪にも抗酸化作用があります。

紫根エキスによって肌への角層や髪のタンパク質の抑制効果があるというデータもあります。

紫根エキスは化粧品に配合することで、肌荒れ防止効果、肌と毛髪の抗老化効果、ダメージ防止効果などが期待されます。

お肌の表皮は、角質層の水分量が１０％～２０％の間を保つと柔軟でしっとりとします。
水分量が１０％以下になると、ひび割れ、肌荒れが生じます。
そのため、水分量を低下させないよう、表皮の角質層に水分を増加させたいのです。
紫根エキスは優れた角質層の水分量の増加を確認されています。

角質層内の水分量を上げるのは、ヒアルロン酸や多糖類などの成分です。
紫根エキスの主成分は多糖であることから、角質層の水分量が増加します。
そのため、紫根エキスは保湿に優れているのです。

ニキビができる原因はストレスや生活環境、ホルモンバランスや睡眠不足、外部刺激、食生活の乱れなどがあります。

特に食生活の乱れによってビタミンが不足するとアクネ菌などの常在菌に対する抵抗力が落ちてしまいます。

紫根エキスの抗菌作用はアクネ菌に対する増殖を抑制します。
また、肌に刺激を与えず、抗炎症作用でニキビの悪化を防いでくれます。
紫根エキスの主成分であるシコニンには殺菌作用もあるため、ニキビの原因菌を殺菌して新たなニキビを防ぐ効果も期待できます。

そのため、紫根エキスは肌荒れやニキビに対しても有効です。

皮膚への刺激性はないというデータがあります。
4０年以上使用実績がある中でアレルギーが出たということもありません。
なので、規格の基準を満たした成分として医薬部外品原料に認められています。
現状、重大な問題報告はありませんので、化粧品の配合量や通常の使用に関してアレルギー性はほとんどなく紫根エキスは安心して使用できる問題のない成分であると考えれます。

紫根は生薬として用いられ、肌の保湿や抗酸化作用にも優れており、肌トラブルにも南港として古くから用いられてきました。
現代も薬に用いられています。抗老化作用、抗酸化作用、保湿、抗菌、抗炎症作用に効果があるとされ、肌トラブルの改善に利用されています。
安全性も確認されており、安心して使用できる有効成分です。