心労による胃・十二指腸かいよう

心労が原因でなる胃・十二指腸かいようを治す

胃袋は顔と同じように感情が高ぶれば、赤くなったり、青くなったりして、その“表情”を変えています。それくらいデリケートな臓器ですから、悲しみや悩み事があれば、食欲が全くなくなったり、さらには胃が重苦しくなったり、傷んだりもします。

神経を酷使する職業についている人で胃が丈夫な人は、まずまれだといわれます。中学生や高校生でも試験期間の間は緊張のため、一時的に十二指腸かいようを発生せさせることもあるくらい、胃袋や十二指腸は敏感です。このように心理的葛藤が原因となって発病する病気に、胃・十二指腸かいようがあります。主な原因としてピロリ菌があげられますが、心因が中心となるストレス性かいようが、増えていることは事実です。

十代~二十代の若い層に多いのが十二指腸かいよう。四十代~五十代は胃かいよう、というのが最も一般的です。特に十二指腸かいようの場合は、いったん治ったように見えても、また再発するという性質があり、心因の"業の根深さ" を感じさせます。

胃腸薬はいろいろありますが、どれも対症療法剤といって、その場をとりつくろうものですから、本当に治すためには心の状態を正常にさせなければなりません。ビタミンCは、胃腸薬ではありませんが、神経性の胃・十二指腸かいようの予防と治療にきわめて有効であることがわかっています。

胃・十二指腸かいようなどは、胃壁から粘膜に通じる欠陥が圧迫されたり、血管自身の急激な収縮によって、胃の粘膜に血行障害が生じて起こります。ビタミンCは毛細血管の壁を強くする作用があり、また血流を促進させるため、血行の障害を改善させます。そして、ストレスに対抗する別名、抗ストレス・ホルモンを分泌する副腎の働きを高めるなどして、胃・腸に生じる欠陥を根本的に改めていきます。