ジュースのビタミンC

ビタミンCが必要に応じて体内で作られるなら万事問題はありません。たいていの動物は自ら体内で合成しますが、人間は作ることができません。そこで、野菜や果物から補給するのですが、残念ながらビタミンCやAなど、ほとんどの野菜でかなり減っているのが現状です。

手っ取り早い補給の方法として考えつくのは、ミカンなどの果汁100%の果物のジュースや野菜ジュースです。こうしたジュース類には、ビタミンや栄養があってプラスの面ばかりと思っている人も多いのですが、ビタミンCは水にきわめて不安定なため、製造されてから家庭に届く間にビタミンCはほとんど失われてしまいます。

果物のジュース200mlで、糖分は約15~30g、60~120kcalと言われています。120kcalを消費するには阿波踊りを30分以上も踊り続けなければなりません。 野菜ジュースは15g前後の糖質が含まれているものが多いようです。 それなので、栄養補給のつもりで冷蔵庫にジュースを常備し水代わりに飲むことは 要注意です。 Cの補給がパッケージに記載されていてもとれることはないばかりか、 糖質が体内で中性脂肪に代わったり、食欲不振などを招くことがあるからです。

大事なことは、体内に届くときまで表記の量の栄養素が残っているのかどうか。ビタミンCについては簡単にわかりますね。ビタミンCが、空気・熱・水に対してきわめて不安定な化合物であることは昔から明白です。斎藤徳男博士は、ジュースでビタミンCがとれるかのような勘違いをしてしまう表記に対し、驚きと怒りを感じておられました。